骨盤骨折
骨盤骨折は交通事故など高エネルギー外傷で起こりやすく、多発性外傷であることが多い。例えば肋骨骨折・外傷性くも膜下出血・消化管損傷・神経損傷・尿路損傷とかがあるのかな。
一方で高齢化に伴い転倒など低エネルギーの外力であっても骨折を生じるケースが増加しているようです。
骨盤骨折は大きく
① 寛骨臼骨折
② 骨盤輪骨折
の2パターンに大別できます
パターン②骨盤輪骨折の分類では骨盤の後方要素に着目したTileの分類が多用され
A型(安定型):骨盤輪の完全な安定性を有する
B型(部分安定型):後方要素の損傷は認めるが骨盤輪として部分的に安定している
C型(不安定型):後方要素が完全に破綻し、骨盤輪の完全な不安定性を有する
に分けられます
さらにA~C型は脊柱〜下肢の荷重伝達経路上に骨折が認められるかどうかという観点からも考えることができます。
骨盤後方成分安定型・不安定型を比較した際に、安定型では33%に後方血管損傷がみられたのに対して、不安定型では67%あったとするものがあるようで、そういった意味でも後方成分を重視しているのでしょうか。
治療方針
安定型は保存、不安定性では手術療法が適用となります。
A型:保存療法が適応
B型:転位の大きいものや脚長差を大きく認める場合は手術適応
C型:手術適応
リハビリ
A型でベッド上安静の場合、発症後2週頃より部分荷重・歩行訓練を開始。ちなみに僕が経験した症例も安定型でドクターから2週免荷の指示でしたね。手術の場合6週は完全免荷・12週で全荷重という報告がありました。