3年で駆け上がる新米理学療法士

整形外科中心の急性期総合病院で働いています。一般的な整形外科疾患やスポーツ障害・外傷のリハビリ経験、文献や個人的に勉強したことなどを発信していくブログです。

膝蓋大腿関節

目次

大腿骨

  • 内側顆約35×15mm・外側顆約40×15mm。形態的には外側顆が大きいが、関節面は内側顆の方が広く長い
  • 両顆間の前方部分は膝蓋骨と関節面を形成し(膝蓋骨溝patellagroove・関節軟骨厚2~3mm)、後方部分は十字靭帯の通路となる顆間窩を形成
  • 内・外側顆は、下方で曲率が大きく、後方で曲率が小さくなっている。膝伸展位で接触面が広くなり安定しやすく、膝屈曲位で自由度が大きい

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膝蓋骨

  • 大腿四頭筋に内包された人体最大の種子骨で、4~5mmの関節軟骨を持つ

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  • 内・外側関節面で形成される角度(膝蓋骨facet angle)は130±10°
  • 外側関節面は大腿骨顆間溝の外側関節面の全体的輪郭と適合し、内側関節面は解剖学変異に富み、Wiberg分類ではⅠ型(24%)・Ⅱ型(57%)・Ⅲ型(19%)の3つに分類

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膝蓋大腿関節

膝関節最大伸展位では膝蓋骨は顆間溝から浮いており、自由に動けます。反対に屈曲位になると初動では内方へ移動しながら大腿骨と接触面を持ち、周囲軟部組織の緊張によって可動性は減少しちゃうんですね。
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屈曲に伴い膝蓋骨の大腿骨に対する接触面は、下方から上方へ移動し90°付近で最も上方に。屈曲115°以降になると接触面は大腿骨の左右に分かれて、顆間深くに入り込みます。
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また、屈曲60~90°付近で膝蓋大腿関節の接触面積・関節圧も最大に!しかも、そのときの膝蓋骨の接触面積は全体の30%しかありません。
だから、ラッキングエラーがある状態・膝優位の姿勢制御で運動を行っていると脱臼や離断性骨軟骨などのリスクを伴ってしまいます

膝蓋骨の運動

前額面→屈曲に伴い外旋(25~130°の間に約6.5°)
冠状面→屈曲に伴い内旋(25~110°の間に約11°)
矢状面→屈曲60°付近で後傾が最大
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制動要素
①静的要素=内・外側膝蓋支帯
膝蓋支帯には横走する膝蓋大腿靭帯・膝蓋脛骨靭帯、その表層に縦走線維があります。
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②動的要素=大腿四頭筋

X線評価

大腿骨滑車の角度、深さ、膝蓋骨facet angle、膝蓋骨の傾斜具合など
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